2018年5月11日金曜日

ひとまず完結のご挨拶

ご挨拶


2018年2月から始めたこのブログには、2018年1月中旬から約2週間、集中的に取り組んだプログラミング言語C#の学習の足跡を35回に渡って記してきました。

本来なら、こういった内容のものは、Qiitaあたりに書いて、現役プログラマに揉まれるべきなのかもしれませんが、そこまで臨戦体制的なものではなく、自分が覚えておく為の記録の意味合いで書いて来ました。

そもそも、気が弱いのであそこに何か書くのは無理です(笑)

C#学習のそもそもの発端は、最初のご挨拶にも記したとおり、お仕事としてC#でプログラム開発が出来ないか、という打診を頂いたことでした。

残念ながらお仕事にはなりませんでしたが、2週間という短い期間で、Windows環境で動くGUIアプリケーションを書くことが出来るようになったのは大きな成果と自分では思っています。

今回、当初の目標仕様を満足するプログラムの作成の完了まで来ましたので、記事の更新はこれで一段落ということにします。しかし、今後も色々なソフトウエア開発のお勉強や研究をすることはあると思いますので、その際にはこのブログに足跡を残していきたいと考えています。

お付き合いいただき、ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします。

筆者:冨樫伸也

今までの成果を全部入れて、いよいよプログラム完成です

前回の記事で、Form(Form1)上のPictureBox(pictureBox1)にマウスの動きに合わせて動く図形(丸)を描くことが出来ました。

ここまで来れば、PictureBoxの中に縦又は横の直線を描いて、マウスの動きに合わせて動かすのは難しいことではありません。出口はもうすぐです。

2018年5月10日木曜日

マウスに合わせて図形を動かす(2) 〜 使いやすさを求めて

前回の記事で、マウスの動きに合わせて黒丸を動かすことが出来るようになりました。しかしながら、これは単純なFormの上での話です。

次は、これを輪切り描画プログラムに移植します。

前回の記事では、Paintイベントのイベントハンドラとして自前のメソッドを準備して、その中に描画処理を記述し、メソッド黒丸を描く座標を指定した後に、Invalidateメソッドを呼び出してPaintイベントを発生させ、描画するという流れの処理を書きました。

最初は、これを単純に今まで作ってきた輪切り画像描画プログラムに持っていくことを考えました。

当初からあるMouseMoveイベントのイベントハンドラの中に、黒丸を描く座標を計算し、再描画のためのInvalidate()メソッドを呼び出すコードを入れます。

なお、リスト中のマウス座標を取得するメソッドgetMousePosition()は、以前のCursor.Positionプロパティを読んで座標変換する処理方法から、MouseMoveイベントの引数として与えられるウインドウ内座標系のマウス座標を、描画データの座標系に変換する処理に変更しました。

        
  リスト1 MouseMoveイベントのイベントハンドラ
        private void pictureBox1_MouseMove(object sender, MouseEventArgs e)
        {
            // イベントが発生したときのマウス座標を取得
            Point point = new Point( e.X, e.Y ); 
            // この処理で、ウィンドウ座標で入手したマウス座標を、データ座標系に変換
            getMousePosition( point );           
            //黒丸を描く座標を算出
            this.pt = new Point(e.X - (size.Width / 2), e.Y - (size.Height / 2));
           // 描画処理で使う座標をグローバル変数に設定、
           // 新たにインスタンスを作る必要がないと思うので、pointをそのまま代入
            this.pt2 = point;     

            this.Invalidate();       // 再描画
        }

さらに、前回のプログラムと同様にOnPaint()メソッドをオーバーライドして丸を描くコードを入れます。なお、pictureBox1は背景が黒なので、丸の色を白に変更しています。

リスト2 描画メソッド
        protected  override void OnPaint(PaintEventArgs e)
        {
            base.OnPaint(e);
            Brush brush = new SolidBrush(Color.White);

            e.Graphics.FillEllipse(brush, pt.X, pt.Y, size.Width, size.Height);
        }

ところが、この方法はうまくいきません。白い丸がForm1の上で動いているのを黒いpictureBoxが隠してしまっているように見えます。試しにthis.Invalidate();を、this.pictureBox1.Invalidate();に変更すると、丸は動かなくなります。どういうことでしょうか?

ここからは私の推理ですが、リスト1におけるthis.Invalidate();のthisはpictureBox1ではなくて、Form1を指しています。また、リスト2におけるOnPaint()の基底クラスはForm1.OnPaint()になるんだと思います。

つまり、再描画要求はあくまでもForm1に対する再描画要求であり、描画処理もForm1に対するOnPaint()メソッドのオーバーライドになります。つまりpictureBox1は蚊帳の外でなのです。

this.Invalidate();をthis.pictureBox1.Invalidate();に変更した場合は、再描画要求は出るものの、pictureBox1には何も描画されていない状況であるのに加えて、再描画処理は何も手を加えていないpictureBox1の再描画処理が走るだけ。

そしてForm1のOnPaintは起動しないので、Form1内に描画をするコードが動かず、何も起こらない、丸は動かない、ということになるのだと思います。

pictureBox1にも再描画の為のOnPaintメソッドはあるのですが、これはPictureBoxクラスの中のメソッドなので、Form1からオーバーライドして使ったりすることはできません。

色々調べ回って試行錯誤した結果、PaintイベントのイベントハンドラをOnPaintメソッドのオーバーライドとして記述するのではなく、Visual StudioのpictureBox1のプロパティから、明示的にイベントハンドラを定義すればよいのではないか、ということになりました。

これに加えて、再描画要求をthis.pictureBox1.Invalidate();と記述し、要求先をpictureBox1に、明示的に指示することにしました。

これによって、動作の流れは、MouseMoveイベント→描く丸の座標を計算→pictureBox1再描画要求→pictureBox1のPaintイベント発生→pictureBox1への描画処理、という流れに明確化します。

描画処理のコードは以下のようにしました。

リスト3 再描画メソッド
        private void pictureBox1_Paint(object sender, PaintEventArgs e)
        {
            Brush brush = new SolidBrush(Color.White);

            //ここに図形を描く処理を追加すると、マウスの動きに合わせてその図形が動いてくれるようになる。
            e.Graphics.FillEllipse(brush, pt.X, pt.Y, size.Width, size.Height);
        }

このような動作になります。
今日はここまでにします。