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2018年2月25日日曜日

Windows Formアプリでテキスト入力

前回の初めてのWindows Formでは、ウインドウの中に単純なテキストの出力をしましたが、今回はテキストの入力です。その中で、「イベント」というものを取り扱います。

この段階でも、まだ普通のテキストエディタでソースを入力して、コマンドラインからコンパイル、そして起動する、ってことで対応できます。もちろんVisual StudioなどのIDEでプロジェクトを作ることも可能です。

下に学習に使用したプログラムリストを示します。今回はファイルが二つに分かれています。main.csはプログラム本体のMyFrmクラスのインスタンスを作って呼び出すだけのmainメソッドが入っており、myfrm.csにはプログラム本体Formクラスの派生クラスの定義が入っています。

ファイルが分割されていても、

csc main.cs myfrm.cs


のようにコンパイラに全ファイルを指定すると、ちゃんとmainメソッドから動いてくれます。

ちなみに、Visula Studioをインストールすると、C#のコンパイラであるCSCがインストールされますが、Windows Vista以降のWindowsでは、.NET Frameworkが標準で入っていて、その中にCSCが入っているそうです。こちらに、詳しい説明がありますので、ご興味のある方はお読みください。

さて、下記リストですが、リスト1のmain.csは、mainメソッドの定義だけです。最初にも書いたように、MyFormクラスのインスタンスを生成して呼び出す、という処理をしています。

リスト1 main.cs

using System;
using System.Windows.Forms;

namespace MyFrmApp
{
    class Program
    {

        [STAThread]
        private static void Main( string[] args )
        {
            Application.Run(new MyForm());
        }
    }
}

このmyfrm.csがプログラムの本体になります。

リスト2 myfrm.cs

using System;
using System.Drawing;
using System.Windows.Forms;

namespace MyFrmApp
{
    public class MyForm : Form
    {
        private Label label;
        private TextBox box;
        private Button btn;

        public MyForm()
        {
            this.Width = 300;
            this.Height = 200;
            setupControls();
        }

        public void setupControls()
        {
            label = new Label();
            label.Text = "type text:";
            label.Font = new Font("Geneva", 12, FontStyle.Regular);
            label.Height = 30;
            label.Width = 300;
            this.Controls.Add(label);
            box = new TextBox();
            box.Width = 225;
            box.Top = 50;
            box.Left = 25;
            this.Controls.Add(box);
            btn = new Button();
            btn.Text = "click";
            btn.Height = 30;
            btn.Width = 100;
            btn.Top = 100;
            btn.Left = 100;
            btn.Click += btn_Click;
            this.Controls.Add(btn);
        }

        private void btn_Click(object sender, System.EventArgs e)
        {
            string str = box.Text;
            label.Text = "you write '" + str + "'.";
        }
    }
}

起動すると、まず以下ようなウインドウが出ます。


そして、ウインドウ内のテキストボックスに文字列を書いてclickボタンを押すと、以下のようになります。

type text:がyou write "入力文字列"に書き換わっていますね。

プログラムの内容は以下の通りです。

まず、Formクラスの派生クラスとしてMyFormを定義し、MyFormに貼り付けるLabel、TextBox、Buttonの部品(Control)のための変数を宣言します。これは、MyFormクラスの外からは見えなくて良いので、private宣言をしているんだと思います。

次に出てくるpublic MyFormはMyFormクラスのコンストラクタです。この中で、まず自分自身の幅と高さをthis.Width、this.Heightに数値を設定することで設定してします。

このWidthとHeightは、Formクラスにあるプロパティで、ウインドウの幅と高さを設定する為のものですが、MyFormはFormの派生クラスなので、当然MyFormにも存在するプロパティです。

WidthとHeightを設定した後、setupControls()メソッドを呼び出しています。

setupControls()メソッドの中では、Label、TextBox、Buttonのインスタンスをそれぞれ生成して、冒頭で定義したlabel、box、btn変数にインスタンスを代入しています。

そして、それぞれの幅、高さ、表示されるテキスト、labelに関してはfontの設定も行っています。

さらに、btnで示されるButtonオブジェクトをクリックしたときに発生するイベントを利用して、boxオブジェクトに入力されているテキストをlabelオブジェクトに代入してウインドウに表示させる処理を行うよう、処理の内容をbtn_Click()メソッドに定義し、btnオブジェクトがクリックされたときに発生するイベント(btn.Click)でbtn_Click()メソッドが起動するよう、

btn.Click += btn_Click;

でイベント登録をしています。なお、btn_click()の引数のobject senderとSystem.EventArg eですが、イベントの処理をするメソッドでは必ずこのような書き方をします。今の段階では、イベントでは必ずこのように書く、と覚えておけば良いと思います。

今回の学習で初めて出て来た「イベント」ですが、Windowsではマウスのクリックやキーボードの打鍵などを「イベント」として動作のきっかけにする、イベントドリブンという動作方法で処理が進んでいくものが多く、イベントの取扱方はとても重要です。

今回はこれで終わります。