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2018年2月28日水曜日

CheckBox、RadioButtonなど色々なコントロールを動かしてみる

前回のエントリーでは、テキストボックスに入力した文字列をボタンをクリックしたら内部に取り込んでウインドウのラベルに表示する、というプログラムを動かしました。

この中で、テキストボックス、ボタン、ラベルはそれぞれコントロール(Control)と呼ばれるオブジェクトです。Windows Formでは、様々なコントロールを使うことが出来るようです。このページに一覧が出ていますので、参照ください。

CheckBox


今回は、コントロールの中から、チェックボックス(CheckBox)をWindows Formに配置して動かしてみます。CheckBoxは、幾つかあるオプションの中から複数の項目を選択するときに使われるGUIですね。小さな四角で、クリックするとその中にチェックマークが現れる、というデザインのものが多いと思います。

リスト1は、前回と同様に、プログラム本体で定義されているMyFormクラスのインスタンスを生成して、Application.Runメソッドで起動しています。

なお、今後の学習で、このスタイルが何度か続くのが見えていたので、前回からMainメソッドが含まれるクラスを別ファイルにして、コピーして使い回すようにしました。この場合、両方のいずれのファイルも、中でクラスを定義する名前空間を同じにしておきましょう。そうしないと、public定義になっていても、特別な書き方をしないと別のファイルのクラスが見えません。

今回のリストも、特にVisual Studioなんか使わなくても、テキストエディタで打ち込んで、csc.exeでコンパイルすれば動きます。

csc main.cs Program.cs


です。

リスト1 main.cs

using System;
using System.Windows.Forms;

namespace sample15
{
    class Program
    {
        [STAThread]
        private static void Main( string[] args )
        {
            Application.Run( new MyForm() );
        }
    }
}

リスト2が、プログラムの本体になります。MyFormクラスのコンストラクタでMyFormオブジェクトの幅(this.Width)、高さ(this.Height)を設定して、MyForm上に配置されるコントロールの各種設定を行うメソッドを呼び出します。

今回のプログラムでは、LabelオブジェクトとCheckBoxオブジェクトを使用するので、その大きさ、フォント種類、表示するテキスト等の設定を行っています。

さらに、チェックボックスの状態が変化したときに発生するイベントを利用して、Labelオブジェクトの中のテキストを書き換える処理をするイベントハンドラーの登録、実際の処理を行うメソッドの定義をしています。

リスト2 Program.cs

using System;
using System.Drawing;
using System.Windows.Forms;


namespace sample15
{
    public class MyForm : Form  // Windows.Formの派生クラスとしてMyFormを定義
    {
        private Label label;
        CheckBox check;
        public MyForm()
        {
            this.Width = 300;  // MyFormの幅のピクセル値設定
            this.Height = 200;  // MyFormの高さのピクセル値設定
            setupControls();
        }

        public void setupControls()
        {
            label = new Label();  // インスタンス名labelでLabelのインスタンスを生成
            label.Text = "type text:";
            label.Font = new Font("Geneva",12,FontStyle.Regular);
            label.Height = 30;
            label.Width = 300;
            this.Controls.Add(label);  // labelをMyFormに貼り付け
            check = new CheckBox();  // インスタンス名checkでCheckBoxのインスタンスを生成
            check.Text = "check box";
            check.Top = 50;  // <-- CheckBoxの配置座標(左上)
            check.Left = 50;  // <-- CheckBoxの配置座標(左上)
            check.CheckedChanged += check_changed;  // CheckBox状態変化イベントのイベントハンドラー登録
            this.Controls.Add(check);  // CheckBoxをMyFormに貼り付け
        }

        private void check_changed(object sender, System.EventArgs e)
        {
            label.Text = "checked: " + check.CheckState + "(" + check.Checked + ")";
            // labelのテキストをcheckの状態(論理値)に書き換え
        }
    }
 
}

これをコンパイルして動かすと、以下のようになります。

起動直後、チェックボックスがチェックされていない状態で起動します。

チェックボックスにチェックを入れると、下のようになります。

この状態でチェックを外すと、下のようになります。起動直後の状態には戻りませんね。


このsetupControl()メソッドとイベントハンドラーの処理、イベント処理のメソッドを色々と書き換えることで、色々なコントロールを配置して動かしてみることが出来ます。

コントロールそれぞれの使い方は、ドキュメントを見ながら研究するしかありませんが、色々なコントロールを試してみて、Windows FormアプリのGUIの作り方を研究するのも楽しいと思います。

GroupBoxとRadioButton


上記リストのコントロールの配置とイベントハンドラー、イベント処理を書き換えてみます。グループボックス(GroupBox)、ラジオボタン(RadioButton)というコントロールを使って、下記のようなことが出来ます。

        public void setupControls()
        {
            label = new Label();  // Labelクラスのインスタンス生成
            label.Text = "type text:";
            label.Font = new Font("Geneva", 12, FontStyle.Regular);
            label.Height = 30;
            label.Width = 300;
            this.Controls.Add(label);  // labelオブジェクトをMyFormに貼り付け

            GroupBox group = new GroupBox();
            group.Width = 200;
            group.Height = 100;
            group.Top = 50;
            group.Left = 50;
            group.Text = "radio group";
            this.Controls.Add(group);

            radio1 = new RadioButton();
            radio1.Text = "male";
            radio1.Top = 25;
            radio1.Left = 25;
            radio1.Checked = true;
            radio1.CheckedChanged += check_changed;
            group.Controls.Add(radio1);

            radio2 = new RadioButton();
            radio2.Text = "female";
            radio2.Top = 50;
            radio2.Left = 25;
            radio2.CheckedChanged += check_changed;
            group.Controls.Add(radio2);
        }

        public void check_changed(object sender, System.EventArgs e)
        {
            RadioButton btn = (RadioButton)sender;
            label.Text = "selected:  " + btn.Text;
        }

ラジオボタンというコントロールを二つ配置して、押されたら反応する、というプログラムです。radio1オブジェクトを最初から有効な状態にして起動するプログラムになっています。
femaleを有効にすると、その旨のテキストが表示されます。

その状態からmaleを有効にすると、その旨のテキストに書き換わります。


なお、起動時にmaleが有効な状態で起動しても、プログラム内ではラジオボタンの状態を読んでいないので、表示に変化は起こりません。表示に変化が起こるのは、ラジオボタンの状態が変化してcheck_changedイベントが発生したときだけです。

今回はここまでです。

2018年2月25日日曜日

Windows Formアプリでテキスト入力

前回の初めてのWindows Formでは、ウインドウの中に単純なテキストの出力をしましたが、今回はテキストの入力です。その中で、「イベント」というものを取り扱います。

この段階でも、まだ普通のテキストエディタでソースを入力して、コマンドラインからコンパイル、そして起動する、ってことで対応できます。もちろんVisual StudioなどのIDEでプロジェクトを作ることも可能です。

下に学習に使用したプログラムリストを示します。今回はファイルが二つに分かれています。main.csはプログラム本体のMyFrmクラスのインスタンスを作って呼び出すだけのmainメソッドが入っており、myfrm.csにはプログラム本体Formクラスの派生クラスの定義が入っています。

ファイルが分割されていても、

csc main.cs myfrm.cs


のようにコンパイラに全ファイルを指定すると、ちゃんとmainメソッドから動いてくれます。

ちなみに、Visula Studioをインストールすると、C#のコンパイラであるCSCがインストールされますが、Windows Vista以降のWindowsでは、.NET Frameworkが標準で入っていて、その中にCSCが入っているそうです。こちらに、詳しい説明がありますので、ご興味のある方はお読みください。

さて、下記リストですが、リスト1のmain.csは、mainメソッドの定義だけです。最初にも書いたように、MyFormクラスのインスタンスを生成して呼び出す、という処理をしています。

リスト1 main.cs

using System;
using System.Windows.Forms;

namespace MyFrmApp
{
    class Program
    {

        [STAThread]
        private static void Main( string[] args )
        {
            Application.Run(new MyForm());
        }
    }
}

このmyfrm.csがプログラムの本体になります。

リスト2 myfrm.cs

using System;
using System.Drawing;
using System.Windows.Forms;

namespace MyFrmApp
{
    public class MyForm : Form
    {
        private Label label;
        private TextBox box;
        private Button btn;

        public MyForm()
        {
            this.Width = 300;
            this.Height = 200;
            setupControls();
        }

        public void setupControls()
        {
            label = new Label();
            label.Text = "type text:";
            label.Font = new Font("Geneva", 12, FontStyle.Regular);
            label.Height = 30;
            label.Width = 300;
            this.Controls.Add(label);
            box = new TextBox();
            box.Width = 225;
            box.Top = 50;
            box.Left = 25;
            this.Controls.Add(box);
            btn = new Button();
            btn.Text = "click";
            btn.Height = 30;
            btn.Width = 100;
            btn.Top = 100;
            btn.Left = 100;
            btn.Click += btn_Click;
            this.Controls.Add(btn);
        }

        private void btn_Click(object sender, System.EventArgs e)
        {
            string str = box.Text;
            label.Text = "you write '" + str + "'.";
        }
    }
}

起動すると、まず以下ようなウインドウが出ます。


そして、ウインドウ内のテキストボックスに文字列を書いてclickボタンを押すと、以下のようになります。

type text:がyou write "入力文字列"に書き換わっていますね。

プログラムの内容は以下の通りです。

まず、Formクラスの派生クラスとしてMyFormを定義し、MyFormに貼り付けるLabel、TextBox、Buttonの部品(Control)のための変数を宣言します。これは、MyFormクラスの外からは見えなくて良いので、private宣言をしているんだと思います。

次に出てくるpublic MyFormはMyFormクラスのコンストラクタです。この中で、まず自分自身の幅と高さをthis.Width、this.Heightに数値を設定することで設定してします。

このWidthとHeightは、Formクラスにあるプロパティで、ウインドウの幅と高さを設定する為のものですが、MyFormはFormの派生クラスなので、当然MyFormにも存在するプロパティです。

WidthとHeightを設定した後、setupControls()メソッドを呼び出しています。

setupControls()メソッドの中では、Label、TextBox、Buttonのインスタンスをそれぞれ生成して、冒頭で定義したlabel、box、btn変数にインスタンスを代入しています。

そして、それぞれの幅、高さ、表示されるテキスト、labelに関してはfontの設定も行っています。

さらに、btnで示されるButtonオブジェクトをクリックしたときに発生するイベントを利用して、boxオブジェクトに入力されているテキストをlabelオブジェクトに代入してウインドウに表示させる処理を行うよう、処理の内容をbtn_Click()メソッドに定義し、btnオブジェクトがクリックされたときに発生するイベント(btn.Click)でbtn_Click()メソッドが起動するよう、

btn.Click += btn_Click;

でイベント登録をしています。なお、btn_click()の引数のobject senderとSystem.EventArg eですが、イベントの処理をするメソッドでは必ずこのような書き方をします。今の段階では、イベントでは必ずこのように書く、と覚えておけば良いと思います。

今回の学習で初めて出て来た「イベント」ですが、Windowsではマウスのクリックやキーボードの打鍵などを「イベント」として動作のきっかけにする、イベントドリブンという動作方法で処理が進んでいくものが多く、イベントの取扱方はとても重要です。

今回はこれで終わります。