2018年3月11日日曜日

念のために、PictureBoxのImageプロパティとBitmapで点を描けるか試す

前回のエントリーで、PictureBoxのImageプロパティとBitmapオブジェクトを使って、SetPixel()でピクセル単位での描画ができそう、と書きましたが、次の学習は本当にそれができるのかどうかの確認です。

このプログラムを書いていたときに、今までの流れから、まずはGraphicsオブジェクトを生成するということでGraphicsオブジェクト生成のコードを入れてあったのですが、GraphicsクラスにはSetPixelメソッドがありません。逆にGraphicsオブジェクトを使って点を打とうとすると、「C#でWindows Formのウインドウに点を描画する」のエントリーで書いたような、回りくどい書き方になりそうです。

SetPixelはBitmapオブジェクトに直接するもののようで、Graphicsオブジェクトのメソッドを使う必要がないのであれば、Graphicsオブジェクトを生成する必要はありませんね。

dobon.net様のこのページの「SetPixelメソッドで点を描く」という項に同じお話が出て来ます。

以下のリストは、最初にGraphicsオブジェクトの生成とDisposeするコードをコメントで残してありますが、不要です。

なお、いつもと同じようにMainメソッドは割愛しています。

/*
 * bitmapに点を打つ試み 
 * setPixelを使って、pictureBoxに画を描いてみたつもり。
 * Graphicsオブジェクトのメソッドは使わないので、Graphicsオブジェクトは生成しないで
 * SetPixel()する
 */


using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel;
using System.Data;
using System.Drawing;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace sample31
{
    public partial class Form1 : Form
    {
        public Form1()
        {
            InitializeComponent();

            this.MaximumSize = this.Size;
            this.MinimumSize = this.Size;

            Bitmap img = new Bitmap(600, 720);

            //Graphics g = Graphics.FromImage(img);

            for( int x = 0; x <; 600; x+=2)
            {
                for (int y = 0; y <; 720; y+=2 )
                {
                    img.SetPixel(x, y, Color.Red);
                }
            }

            //g.Dispose();

            pictureBox1.Image = img;
        }
    }
}

このプログラムを実行すると、下記のような結果となります。


描画方法は、どんな図形をどのような形で描くかによって、適切な方法が違ってくるのかもしれません。しかし、ピクセルベースで何かを描いていく今回の目標仕様に対しては、このPictureBoxのImageプロパティとBitmapオブジェクト、そしてSetPixelを使った方法がよさそうです。

今回はこれで終わりです。

2018年3月10日土曜日

PictureBoxのImageプロパティとBitmapオブジェクトで描画

このブログでは今まで何度かグラフィックの描画処理を取り上げました。

最初は、GraphicsオブジェクトのFillRectangle()メソッドとDrawEllipse()メソッドを使った描画処理でした。Paintイベントのイベントハンドラの引数、PaintEventArgs eが持っているGraphicオブジェクトを使って描画する、という方法でした。

次は、Paintイベントのイベントハンドラの中で描画処理を行うのは同じですが、CreateGraphics()メソッドで作ったGraphicsオブジェクトに、小さなBitmapオブジェクトをタイルのように貼り付けて点を描く方法でした。

今度は、PictureBoxとBitmapを使った描画処理をやります。これも、Bitmapから生成したGraphicsオブジェクトに対する描画処理、ということになりますが、今ひとつよくわかりません。

Graphicsオブジェクトは何種類か作り方があって、作り方によって描画速度が違う、という記事もあったりとかして、この辺からしてまずわかりません。

分からないなりにも学習は進めるということで、勉強させていただいたのは、dobon.net様です。

下記が今回のプログラムリストになります。いつものようにMainメソッドは割愛しています。

Visual Studioで新規プロジェクトからWindows Formアプリケーションを選択し、生成されたForm1のプロパティからSizeを400 X 300程度にします。


さらに、ツールボックスからPictureBoxを選び、Form1に配置し、Sizeを370 X 240程度にします。


/*
 * 3Dデータからウィンドウ上にデータをプロットするプログラムに挑む
 */

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel;
using System.Data;
using System.Drawing;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace sample28
{
    public partial class Form1 : Form
    {
        public Form1()
        {
            InitializeComponent();

            this.MaximumSize = this.Size;
            this.MinimumSize = this.Size;

            Bitmap img = new Bitmap(200, 100);
            Graphics g = Graphics.FromImage(img);

            g.FillRectangle(Brushes.Black, g.VisibleClipBounds);
            g.DrawPie(Pens.Yellow, 60, 10, 80, 80, 30, 300);
            g.Dispose();
            pictureBox1.Image = img;
        }

    }
}

実行した結果は、以下のようになります。


ここで注目すべきは、描画処理がPaintイベントのイベントハンドラとして記述されていない点です。PictureBoxのImageプロパティを使って描画する場合、Paintイベントが発生しても描画内容は消えないようです。同じdobon.net様に記載されていますが、Paintイベント発生する直前に、DrawImageメソッドを使って内部的に描画されているのだそうです。

この方法、SetPixel()メソッドを使ったピクセル単位の描画にも使えそうです。PictureBoxを使った方が手軽に記述できて楽です。

本番プログラムでは、この方法を採用しようと思います。

なお、この方法で描画する場合は、描画処理の終わりでDispose()メソッドを使用してGraphicsオブジェクトのリソースを開放する必要があるようです。

今回はこれで終わりにします。


2018年3月8日木曜日

マウスの座標を取得し続ける(その2)

前回の続きです。マウスの座標を取得し続ける方法の学習です。

前回、サブスレッドを使ってマウスの座標を取得し続ける方法を学びました。しかし、やりたいことを整理すると、


  • マウスカーソルがウインドウの上にあるときだけ座標を取得できれば良い
  • 座標を取得するのは、どこから輪切りにするかを決めるときだけ


ということになって、ひたすら律儀に座標を取得し続ける必要はなさそうですし、座標の取得をしている最中に、他の込み入った処理をしなければならないこともなさそうです。

それで色々と調べ回ったところ、マウスに関するイベントを利用してあげれば、それほど面倒な処理をしなくてもやりたいことが出来そう、ということが分かりました。

イベントとは、マイクロコンピューターの世界で言う割り込み処理です。私は、ハードウエアをいじる仕事をしていた経験から、割り込み処理と言った方がピンときます。

マウスに関係するイベントは全部で6種類あります。ここで言うマウスに関係するイベントとは、クリックやダブルクリックではなく、マウスがコントロールの上に来たときや、マウスがコントロールの上を動いたときに発生するイベントのことです。こちらに詳細説明がありますが、機械翻訳なのでわかりにくいです。

この中で、MouseHoverイベントと、MouseMoveイベントに着目しました。MouseHoverイベントはマウスカーソルがコントロールの上にあるときに発生するイベント、MouseMoveはマウスカーソルがコントロールの上を移動すると発生するイベントです。

Mainメソッドが書かれたファイルは前回と同じなので割愛します。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel;
using System.Data;
using System.Drawing;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace sample27
{
    public partial class Form1 : Form
    {
        public static int mouse_x = 0, mouse_y = 0; //マウスポインタの座標置き場 

        public Form1()
        {
            InitializeComponent();

            this.MaximumSize = this.Size; //ウィンドウサイズを変更できない用にする処理
            this.MinimumSize = this.Size; //ロードされたときのウィンドウサイズを取得して、Min/Maxサイズ両方に設定
        }

        // マウスが動いたときに発生するイベント
        private void Form1_MouseMove(object sender, MouseEventArgs e)
        {
            getMousePosition();
        }

        // マウスがウインドウの中に入ったときに発生するイベント
        private void Form1_MouseHover(object sender, EventArgs e)
        {
            getMousePosition();
        }

        // Formが非選択になったときに発生
        private void Form1_Leave(object sender, EventArgs e)
        {
            if(!this.Focused)
            {
                label1.Text = "Lost Focus";
            }
        }

        // Formが無効化されたときに発生
        private void Form1_Deactivate(object sender, EventArgs e)
        {
            label1.Text = "Deactivated";
            mouse_x = mouse_y = (int)0xffff;
            this.Text = "x=" + mouse_x + ":y=" + mouse_y;
        }

        private void pictureBox1_MouseHover(object sender, EventArgs e)
        {
            getMousePosition();
        }

        private void pictureBox1_MouseMove(object sender, MouseEventArgs e)
        {
            getMousePosition();
        }

        // マウスの座標を取得、ウィンドウ内の座標(クライアント座標)に変換して出力
        private void getMousePosition( )
        {
            if (this.Focused)
            {
                System.Drawing.Point cp = this.PointToClient(Cursor.Position);

                mouse_x = cp.X;
                mouse_y = cp.Y;
                
                label1.Text = "Focused";
                this.Text = "x=" + mouse_x + ":y=" + mouse_y;
            }
            else
            {
                mouse_x = mouse_y = (int)0xffff;
                label1.Text = "Not Focused";
                this.Text = "x=" + mouse_x + ":y=" + mouse_y;
            }

        }
    }
}
これがうまく動いた初版プログラムです。

上記リストでは、2種類のMouseHoverイベント、MouseMoveイベント(Form1とpictureBox1)を捕まえて、getMousePosition()メソッドでマウスカーソルのシステム座標をウインドウ内の座標に変換して求めています。

Formの上にPictureBoxが乗っているようなウインドウの場合は、PictureBoxが置いてあるエリアではFormに関するマウスイベントは発生しません。したがって、このようにFormとPictureBoxの二つのマウスイベントのハンドラーを用意しなければなりません。右の図において、Form1の中の破線の四角がPictureBoxです。

なお、マウスイベントの処理をする以外に、フォームがアクティブになったときとフォームが選択されなくなったときに発生するイベントを使って、フォームが選択されているかどうかをフォームに表示させる機能も付けてあります。

プログラムを起動してウインドウを選択し、マウスをウインドウに乗せると、マウスカーソルの座標がウインドウの上に表示されます。

ウインドウを非選択にすると、下記のようにNot Focusedと表示され、座標値が65535(0xffff)、(0xffff)になります。

今回の目標仕様では、このマウスカーソルの座標取得方法で十分と判断し、この方法を採用することにしました。

プログラムを動かしてみたところを動画にしてみました。

なお、その後の検討で、MouseHoverイベントは、コントロール上にマウスがある一定時間止まっていないと発生しないイベントということがわかり、使わなくてもイベントを取りこぼすことはないだろうと判断しました。

したがって、最終的には上記プログラムからMouseHoverイベントの処理に関するコードを抜き取ることにしました。

今回はここまでにします。