2018年3月8日木曜日

マウスの座標を取得し続ける(その1)

ウインドウに点が打てるようになったので、グラフィック処理は一旦置いておいて、次はマウスの座標を取得する方法を学びました。


リスト1:Program.cs
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace sample25
{
    static class Program
    {
        /// 
        /// アプリケーションのメイン エントリ ポイントです。
        /// 
        [STAThread]
        static void Main()
        {
            Application.EnableVisualStyles();
            Application.SetCompatibleTextRenderingDefault(false);
            Application.Run(new Form1());
        }
    }
}

リスト1は、いつも通りのApplication.Runです。Visual Studioが吐き出したコードそのままです。

次のリスト2がマウス座標を取得し続けるプログラムの本体です。Lassyの戯言様で勉強させていただきました。

リスト2:Form1.cs
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel;
using System.Data;
using System.Drawing;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;
using System.Threading;

namespace sample25
{
    public partial class Form1 : Form
    {

        private Thread thread = null;

        public Form1()
        {
            InitializeComponent();

            thread = new Thread(new ThreadStart(GetMousePosition));
            thread.Start();
        }

        public void GetMousePosition()
        {
            while(true)
            {
                SetText();
                Thread.Sleep(100);
            }
        }

        public delegate void SetTextDelegate();

        public void SetText()
        {
            if(InvokeRequired)
            {
                Invoke(new SetTextDelegate(SetText));
                return;
            }
            this.Text = "x=" + Cursor.Position.X + " :y=" + Cursor.Position.Y;
        }

        private void Form1_FormClosing(object sender, FormClosingEventArgs e)
        {
            if( thread != null )
            {
                thread.Abort();
                //return();
            }
        }
    }
}

このプログラムでは、Form1のコンストラクタの中で、マウス座標を取得し続ける処理を別スレッド(サブスレッド)で起動する、ということをしています。100msごとにマウス座標を取得して、Form1のTextプロパティに座標を書き込んでいます。

Form1のTextプロパティに対して、Form1で生成したサブスレッド(つまり別のスレッド)からForm1のプロパティの操作を行う為に、難しい処理をしています。

具体的には、

            if(InvokeRequired)
            {
                Invoke(new SetTextDelegate(SetText));
                return;
            }


の部分です。呼び出し元が自スレッド(Form1)ではない時、このプログラムの場合はサブスレッドとして動いているGetMousePoisition()から呼び出されたとき、Invokeメソッドを使ってSetTextメソッドへの参照(関数ポインタのようなもの)を生成し、参照から間接的にSetTextメソッドを呼び出しています。Invoke経由の動作や自スレッドからの呼び出しの場合は、InvokeRequiredがfalseとなり、Invokeメソッドは実行されずにifブロックの直後の処理(this.Text〜)が動くのだと思います。

マルチスレッドで動作するプログラムの場合、自スレッド以外のスレッドからのアクセス場合、参照・ポインタによるアクセスでなければならないようで、間接呼び出しを行う為にこのような処理をするのだと思います。

他のサイトでも同様の処理が紹介されていたので、別スレッドからの呼び出しで使われる定番処理なのだと思います。

なお、参考にさせていただいているサイトでは、他にもフックというものを使用する、といった処理の紹介もされています。

そのプログラムも、入力して動かしてみましたが、この記事では割愛します。

さて、サブスレッドでマウス座標を取得し続けるのは、親スレッドが何をしているときでも座標の取得を止めどなく続ける、ということです。しかし、今回の目的に対して必要かどうかを考えると、もう少し簡便な方法でも良いと思います。

今回はここまでです。次回、マウスの話の続きをやります。


2018年3月7日水曜日

C#でWindows Formのウインドウに点を描画する

三次元データをXY平面に投影した図を描く、という目的を満足する為に必要な要素技術、その中で一番基本的なものは、ウインドウの任意の場所に点を描くことです。

点を描く方法をインターネットで調べると、結構たくさん出て来ます。

まずはこちら、C#ビギナー様がヒットしたので、このサイト様で勉強させていただきました。使用したリストを以下に示します。このコードは、このまま打ち込んでも動きません。下記の手順に従って、フォームを生成し、イベントハンドラーの登録を行った後、イベントハンドラーの中身として記述します。手順を以下に書きます。

Visual StudioでWindows Formアプリケーションを選択し、Formを一つ用意します。
図のようなフォームが現れます。
FormのプロパティからSizeを適切な大きさに設定します。この例では300x300ピクセルにしています。
フォームの大きさが設定値通りに変わります。
BackColorをBlackに設定します。
プロパティ設定ウインドウのイベントボタンを押します。イベントボタンは、稲妻のような形をしています。
Paintイベントを探して、ダブルクリックします。
 Paintイベントのイベントハンドラー
private void From1_Paint( object sender, PaintEventArgs e)
のスケルトンが自動生成されます。

コード本体はこちらです。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel;
using System.Data;
using System.Drawing;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace sample22
{
    public partial class Form1 : Form
    {
        public Form1()
        {
            InitializeComponent();
        }

        private void Form1_Paint(object sender, PaintEventArgs e)
        {
            Graphics g = this.CreateGraphics();
            Bitmap p = new Bitmap(1, 1);
            p.SetPixel(0, 0, Color.White);
            g.DrawImageUnscaled(p, 100, 100);
        }
    }
}

コードの中身を見ると、Paintイベントが発生したら、

  1. Form1に対してCreateGraphicsメソッドでGraphicsオブジェクトgを生成
  2. 大きさ1x1ピクセルのBitmapオブジェクトpを生成
  3. オブジェクトpに対して、SetPixelメソッドを使って、座標(0,0)に白い点を打つ
  4. オブジェクトpをGraphicsオブジェクトgの座標(100,100)に描画

という処理を行っています。オブジェクトpは、大きさ1x1ピクセルのBitmapオブジェクトなので、座標(0,0)に白い点を打つということは、オブジェクトpは大きさ1x1の白い点、ということになりますね。

このプログラムはMainメソッドがありませんが、F5キーを押してデバッグ動作をさせると動いてくれます。実行結果はは以下のようになります。


点をたくさん格子状に打つようにしたプログラムが下記です。イベントハンドラの中身を差し替えるだけで、実現出来ます。

        private void Form1_Paint(object sender, PaintEventArgs e)
        {
            int x1 = 20;
            int y1 = 20;
            int x = this.Width;
            int y = this.Height;
            Graphics g = this.CreateGraphics();
            Bitmap p = new Bitmap(1, 1);
            p.SetPixel(0, 0, Color.White);
            for( int i = x1; i< x; i += x1 )
            {
                for( int j=y1; j < y; j+= y1 )
                {
                    for( int k=1; k <1000; ++k) { }
                    g.DrawImageUnscaled(p, i, j);
                }
            }
        }

実行結果が下記です。


これらのプログラムはいずれも、Graphicsオブジェクトに、描画がなされた小さなBitmapオブジェクトを、タイルのように貼り付けて描画する、という考え方で書かれています。言ってみれば2段階の動作で描画している構造です。

もう少し直接的な描画動作ができれば、と考えます。それは、次回以降で研究したいと思います。

というわけで、 今回はこれで終わりにします。

2018年3月6日火曜日

目標仕様を見据えた学習 目標仕様の確認

学習開始から1週間ほど経って、色々なことをやって、言語にある程度慣れてきたかな、と思えるようになりました。これから先は、とりあえずの目標仕様を見据えた学習に切り替えました。

元々やりたいと思っていた目標仕様とは以下のものです。

概要

  • 測定点の3次元座標(X/Y/Z座標)及び測定値の大きさが入ったCSVファイルからデータを読み込み、XY平面への投影図をウインドウに描く。
  • ウインドウに描かれた投影図に対して、X軸と平行な平面(今回はY軸に垂直な平面のみを考える)、Y軸と平行な平面(今回はX軸に垂直な平面のみを考える)における断層画像を描く。

データの形式

  • データはCSVファイルで与えられ、X座標,Y座標,Z座標,測定データの形式。座標の最小解像度は1ピクセルとする。(つまり座標値は整数のみ)

ということで、これからのエントリーでは、この目標仕様を満足するプログラムを書くために必要な要素技術を中心にこれから学習を進めていったことを書いていきます。

上に書いた目標仕様を満たすプログラムを作るための要素技術として、当初以下のものを想定しました。

  • ウインドウに点が打てる
    Windowsのアプリケーションを作ったことがない人間からすると、Windowsのウインドウの中に点を1個打つだけでも、ハードルが高く感じるものです。
  • ファイルの読み出しができる
    Windowsでファイルを開く操作をすると出てくるダイヤログを使ってファイルを選択できるようにします
  • ウインドウ上でマウスのクリックが拾える
    マウスがクリックされたことをきっかけにして、何か動作を始める、というWindowsによくある動作を自分のプログラムで実現するにはどうしたらよいのかを学必要があります
  • ウインドウ上にあるマウスの座標が読み取れる(連続的に読み続ける)
    輪切りの絵を描く為に、主として操作性を良くする目的で、マウスカーソルの座標を連続的に読み続ける機能が必要です
  • ウインドウの座標系とデータの座標系の変換ができる
    データが持っている座標系とウインドウの中の座標系は当然違うはずです。描画する為には、データ座標系をウインドウ座標系に変換してあげる必要があります
  • 隠面処理のために、データの並べ替えができる
    隠面処理とは、奥にあるものが手前にあるものに遮られて見えない、ということを計算機上の処理で実現するものですが、今回は奥にある点から描き始めて、手前にある点が奥にある点を隠していくような描画方式にします。そのためには奥の方から描くようにデータの並べ替えが必要です

それに加えて、ウインドウのデザインが必要ですし、色々なエラーに対する対策をする必要がありますね。特に、エラーが出たらプログラムが止まってしまう、というのは困ります。

今回はこれで終わりにします。